大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)2161 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

弁護人桜井紀の上告趣意第一点について。

憲法は、勤労者の団結権、団体交渉権その他の団体行動権を保障するが勤労者の

争議権の無制限な行使を許容し、それが国民の平等権、自由権、財産権等の基本的

人権に絶体的に優位することを是認するものではなく、従つて、労働者が労働争議

において使用者側の自由意思を剥奪し又は極度に抑圧し或は財産権に対する支配を

阻止し、私有財産制度の基幹を揺がすような行為をすることは許されないこと、生

産管理において、労働者が、権利者の意思を排除して企業経営の権能を行うときは、

正当争議行為といえないこと及び労働者が、生産管理中の工場から、争議期間中の

労働者の賃金支払にあてる目的をもつてほしいままに工場資材を工場外に搬出した

ときは、窃盗罪を構成することは、当裁判所の判例とするところであり(昭和二三

年(れ)第一〇四九号同二五年一一月一五日大法廷判決昭和二五年(れ)第九八号

同二六年七月一八日大法廷判決参照)原判決は右当裁判所の判例の趣旨に判断した

ものであることが判文上明らかであるから、所論憲法二八条、同二九条違反の主張

は採用することができない。

同第二点について。

事実誤認及びこれを前提とする法令違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理

由に当らない。

同第三点について。

原判決の是認した第一審判決判示第二の被告人Aに対する窃盗幇助の事実認定は、

同判決の挙げている各証拠によつて肯認することができる。そして、右第一審判決

に判示されたような被告人の行為は、言論の自由の範囲を逸脱し許さるべきもので

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はないから(昭和二四年(れ)第四九八号同二七年一月九日大法廷判決、昭和二三

年(れ)第一三〇八号同二四年五月一八日大法廷判決参照)論旨は理由がない。ま

た記録を精査しても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。よつて、同

四〇八条に従い裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和二八年一〇月一三日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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